出口王仁三郎の表・裏霊団とは

王仁三郎の霊界は霊界物語の世界である。霊界物語はまさしく救いの書である。王仁三郎の教えの本質は救いであり、弥勒の世建設の道筋を明らかにすることである。その思いは「世の終末」、「最後の審判」を軽く飛び越えて、「理想世界の到来」に向けられている。筆先の原典には「三千世界の立替え」とあるだけで、「立直し」の語句はない。立替えは大工用語で、立て替えといえば、立て直しもふくまれる。だが王仁三郎は筆先の発表に当たって「立替え立直し」という一つの用語にした。そこに王仁三郎の心がある。直と王仁三郎の役割をはっきりさせ、立替えは直の神業だが、立直しは自分に課せられた神業だと。そして王仁三郎は言う。「自分が大本に来て道を説いたのは、出口直の預言を実現させないためだ」と。両者の言葉だけ見るかぎり、その主張はまったく対立しているかであるが、直の預言が実現しないことをいちばん喜んでいるのは出口直自身であり、直にかかった神でもある。出口直にかかった神は、王仁三郎にすべてを託したかったのであろう。王仁三郎の心を体とし、霊界物語を中心軸にすえ、弥勒の世を目指してがんばっていこうとする教団を、私は「王仁三郎の表霊団」と呼ぶ。愛善苑では王仁三郎を永遠の苑主と仰ぎ、霊界物語を根本教典としている。逆に、王仁三郎の名前やカリスマ性だけを利用して自己を大きく見せようとしている教団を、私は「王仁三郎の裏霊団」と呼んでいる。王仁三郎ほど利用価値のある人物はいないから、その名前を借りることで教団に箔をつけることができる。例えば、自分は王仁三郎の生まれ変わりであるとか、王仁三郎から特別に一厘の仕組みを託されたとか、そのように捏造することで自分の教団の勢力を伸ばしていこうとする輩である。